言葉を埋葬して、月へ

道づれを求めて、誘うことばを探していたのだろうのか。鏡の前で踊りつづけるのは苦痛だ。それが、自分の目にしか映らないのは、滑稽な悲劇だ。
一輪の花のような、花束のようなことば。温かいスープのようなことば。立ち昇る煙に似た。やわらかい手のひらのようなことば。精密な機械のような、澱みなく流れる音楽のようなことば。旋律。
温度のない、影のない、いろや、風や、街のないことばには、どんな場所が似合うだろうか。
言葉を埋葬して、月へ行こう。